Photos & Text by colorsmagyoge.
8/9(土)の午後は、
午前中に撮影した某ブレイクを一度離れ、
少し休憩したあと、気になるポイントをすべてチェック。
期待していたアウターリーフも予想以上にサイズダウンが進んでおり、
今回はパスする判断となった。
そんななか、プロサーファーの松岡慧斗、椎葉順と、
そしてビッグウェイバーの血を引く佐久間泰介と共に
セントラル・オブ湘南の某サンドバーをチェック。
そこには、、、
6ftオーバーはありそうな太いうねりがどん深の地形をそのままスルーし、
インサイドにできたサンドバーにヒットしてまるでハワイのOTWか、
もしくはメキシコのプエルト・エスコンデュードのような
強烈な波がブレイクしていた。
しかも、数本に1本のセットは恐ろしいほどパーフェクトにブレイクし、
巨大なチューブを形成してスピッツを吹いていた。
もちろん、このポイントのアウトにサーファーの姿はない。
ただのサーフィン愛好家であるcolorsmagからしてみても、
はっきり言ってライド不可能な波にしか見えなかった。
が、プロサーファーのなかでも
トップレベルのビッグウェイブスキルを持つ松岡”K80″慧斗は
この波を見てアドレナリンが全開になってしまったのか、
冷静に波を見た結果、
「ちょっとやめておこうかな」
という判断を下した椎葉順を横目に
「オレやります」
と言いはじめたのだ。
「いやいや、今日はもう朝のセッションで充分写真も撮れてるし、別に無理しなくていいんだよ」
そんなcolorsmagの言葉をよそに、最終的にはビッグウエイバー佐久間泰介まで
「オレも行ってきます!」
ということになった。
「オレもしばらく見てできそうな気がしてきたら入ろうかな」
と、椎葉順も一応ウエットスーツに着替え、一行はビーチへ。
最初に沖に向かっていったのは佐久間泰介だった。
が、波は思った以上にパワフルなようで、
インサイドでスープを食らいまくり、なかなか沖に出ることができない。
それを見ていた松岡は、左側のカレントからゲッティングアウトしていくが、
ビーチブレイクでのカレントなので、やはり数発ほど恐ろし波をドルフィンしつつ、
およそ5分間ほどで沖のラインナップポジションにたどり着いた。
オープニングウェイブを掴んだのは、最初にパドルアウトしていった佐久間泰介。
手前の小振りな波であったにも関わらず、
4-5ftは確実にありそうに見えた。
続いて松岡が右奥からミドルサイズの波をキャッチ。
流石と言わずにはいられない見事なプルインを魅せたが、
ブレイクが少し早かったうえ、最後の出口が閉まり気味だったため
この波はメイクできず。
しかし、この波を浜で見ていた椎葉順は、
これなら行けると判断したのか、
「ちょっと自分も行ってきます」
と言って立ち上がった。
ビーチには、いつの間にかギャラリーがたくさん集まってきていた。
「がんばってください!」
その中にいた野球少年のひとりから声援を受け、
椎葉順は海に飛び込んでいった。
意外とタイミングよくアウトに出ることができた椎葉順も
松岡たちと共に沖にラインナップ。
30分ほど待ってようやく入ってきた6ftオーバークラスの
形の良い特大セットを掴み、
日本のトッププロとしての貫禄を充分感じさせてくれる
素晴らしいライディングを披露してくれた!!
この1本で椎葉順が浜に上がって来ると、
それを見て感動した野球少年たちを含め、お年寄りから大人まで、
ビーチで見ていたギャラリーたちから拍手が送られた。
佐久間泰介も数本波に乗って上がってきていたことから、
アウトには松岡慧斗ひとりだけになった。
ギャラリーたちは固唾をのんでそれを見守る。
しかし、そのあと掴んだ波は不運にもクローズアウト。
これで海から上がってくるのかと思いきや、
またしてもゲッティングアウトを開始した。
セットの1本目の波に乗ってしまったことから、
その裏に入ってきていた巨大なセットを食らいまくりながらも
15分ほど掛けて再びアウトにラインナップを果たした。
その恐ろしいほどの体力と精神力に驚かずにはいられなかった。
日も傾きかけてきた頃、ようやく松岡が、最後となる波を掴んだ。
その波は、この日の中でもかなり太く、そして特大なうねりであった。
ソリッドな壁と化した波の斜面を滑り降りていく慧斗。
が、波との一瞬の間合いがずれてしまい、チューブのなかでワイプアウト。
強烈に巻き上げられ、そのままモンスター級の恐ろし波に飲み込まれていった。
この波で、調子の良かったJoistik surfboardsのSCROBモデルの5’8″が
真っ二つに折れてしまうハメとなった。
半分泳ぎ状態で松岡が浜に上がってくると、
またしてもビーチのギャラリーたちから、盛大な拍手が贈られた。
まさにこれぞ本物のプロサーファー。
誰も沖にいなかった荒れた海を、一気にステージに変えてしまった彼らに
colorsmag自身も感動を覚えたことは言うまでもない。
今回の台風11号は8/8(金)、8/9(土)とかなり内容の濃い2日間となったが、
そんな台風11号のセッションを締めくくるのにふさわしい
エピックなセッションとなった。
一生滑走!!!