Photos by Takayuki”ManiaOchi”Ochi & colorsmagyoge. Text by colorsmagyoge.
今年最後で最高級と思われる寒波を伴う西高東低による波を追い求め、
エピックな波をスコアした仙台新港から
一路西日本の日本海側某所まで車を走らせ、
朝一にまずまずの波をスコアすることができた
中村竜、越後将平、松岡慧斗といったメンバーたちは、
兼ねてから会うこととなっていた西日本日本海エリアを代表する
colorsmag的スタイリッシュなプロ・フリーサーファー間屋口峻英と、
いまを輝くゴールデンエイジのひとりである若手トッププロの仲村拓久未たちと
いよいよ合流する前にcolorsmag関西支部マニア越智こと越智孝之と共に
気になるブレイクを数カ所チェック。
しかし、どこも予想以上にぱっとせず、
最終的には以前、このエリアを訪れた時からやたら気になっていた
某ブレイクの波をチェックがてら、
間屋口峻英と仲村拓久未と落ち合うことに。
Takahide Mayaguchi & Takumi Nakamura.
北うねりにはあまり反応しないポイントなのか、
以前このエリアを訪れた際にはブレイクしていなかったこのビーチだが、
西寄りのうねりが強かったからなのか、
今回は見事に頭オーバーのパワフルなチューブ波がブレイクしており、
アウトには誰一人、サーファーの姿を見ることができなかった。
ここぞとばかりに準備を整えるクルーたち。
我々にとっては未開であり、未知なるブレイクとなるこの海へ
いの一番に飛び込んでいったのは、
湘南からこのエリアまでまさに10時間に渡る長時間ドライヴを
ほぼひとりでこなした気合の塊、松岡慧斗であった。
Keito Matsuoka. Photos by ManiaOchi.
それをみて続々と入水していくクルーたち。
ボトムがビーチなのかリーフなのか、
さらには、どこにカレントがあり、
どこがピークなのかすらわからないここの波が
見た目以上にパワフルで掘れていて危険そうなことは一目瞭然であった。
そんななか、若手トッププロでゴールデンエイジのひとりである
仲村拓久未は恐れることなく波を次々と掴み、
チューブはもちろん、バリエーション豊かなエアを連発。
Takumi Nakamura. Photos by ManiaOchi.
結局はこのセッションにおけるベストシークエンスを残し、
そのスキルの高さを見せつけてくれた。
このエリアを代表するスタイリッシュなプロ・フリーサーファーであり、
最近では嬉しいことにcolorsmag関西支部マニア越智との絡みも多く、
colorsmagにおいては多くのショットを残し、
さらには、それ以外の雑誌メディアにおいても露出の多くなってきた
間屋口峻英は、この波を目の前に
「やっぱりこの波でもミニシモンズのツインフィンですかね?」
と、かなり無謀なことを最初は言っていたが、
この日はしっかりとスラスター(日本でいうトライフィン)
のボードをチョイスし、見事アグレッシブなライディングを披露。
どんなボードに乗っても、その波、そのボードに合わせた
ライディングを表現できる間屋口峻英というフリーサーファーが持つ
天性のサーフセンスを感じずに入られなかった。
プロサーファーという肩書きを活かし、
rlmの敏腕営業マンとしても活躍する越後将平は、
この日の前日に当たる3/12(木)に仙台から湘南へ到着するやいなや
その足で湘南鵠沼にある得意先のT-Stick surfshopで営業をこなし、
休む間も無く、波を追い求める情熱ひとつを胸に
このディスティネーションへとたどり着いた。
このセッションにおいては唯一のグーフィーフッターとして
今年ブレイクしそうな予感満載なLSDのツインフィン・モデルTWINNYに乗り、
数少ないレフトの波を攻めまくっていた。
Shohei Echigo. Photos by ManiaOchi.
予測不可能なほどランダムで
パワフルに掘れ上がるアドレナリン全開なここの波における
このセッションにおいて、ひたすらチューブになる手強い波のみを選び、
潰されても潰されても決して諦めることなく、
それでもなおチューブに突っ込み続け、
最終的にはタヒチのチョープーのチューブをメイクするほどの
日本屈指のバックサイド・チューブマスター松岡慧斗を唸らせる
このセッションにおけるベストショットを残したのは中村竜。
結局はこの波でボードを真っ二つに折ってしまうこととなったが、
自分が信じた道を、何を言われようとも信じて突き進み、
最終的には多くの人の心を突き動かして
誰もが想像できなかったようなスケールのでかいことを成し遂げる
中村竜という天下無双の男が持つ、本質的な内面を痛感せずにいられない
まさにあっぱれのひとことに尽きる滑りを魅せてくれた。
サーフィンは人生そのもの。
だとすれば、この日の中村竜は、
何があっても逃げずに突き進むcolorsmagが昔からよく知る中村竜そのものであった。
Ryu Nakamura. Photo by ManiaOchi.
太平洋に比べて展開の早い日本海だけに
気象庁発表、及び波情報各社の予測を
見事に裏切るほど天候の変化が著しく、
まさかの西寄りのサイドオンショアが吹き始めたことにより
一気にチューブを巻かなくなったところで
無事にこのセッションは終了。
Keito Matsuoka & Takahide Mayaguchi.
遅めの昼食を取るべく、
このエリアを訪れた際には必ずお世話になっている
守山倫明さんがきりもりする守源旅館のBarポエムへ。
聞けば、このセッションを行なった我々にとっての未開のブレイクは
聖徳太子の生まれた場所として伝えられている歴史の深い場所であり、
数多くの伝説を遺すビーチであるらしかった。
いまとなっては歴史学者の間で、その存在すら疑問視されている
聖徳太子であるが、一度に10人の話を聞けたというその伝説は
聖徳太子のお母さんが外国人で、
聖徳太子が日本語と外国語の両方を話せたことに由来するという
非常に興味深い話を守山さんが教えてくれた。
Shohei Echigo, Keito Matsuoka, Takahide Mayaguchi, Takumi Nakamura & Ryu Nakamura @ Morigen Ryokan.
この日の夕方はそのまま西からのサイドオンショアが吹き続け、
旅の疲れもあったことからノーサーフ。
守山さんとともにいつもお世話になっている
このエリアを代表するFactory 6シェイパーのロクさんこと
今井克義さんの自宅にて蟹づくしの蟹Fes 2015開催という
お持て成しを授かり、この日は早めに消灯。
少しでも波が残って欲しいと願いを込めて迎えた翌朝は
残念ながら膝腰前後の波となり、
長かった怒涛の5日間のエキサイティングな旅もこれで終了。
寂しいけれども、午前中、早めに湘南へ向けて出発することとなった。
旅は道ずれ世は情け。
ときに狙えば外し、狙わずとも当たる。
すべては時の運。
明日は明日の風が吹く。
この旅で出会ったみなさま、そして、お世話になったローカルのみなさま、
本当にありがとうございました。
「またおいで」
みなさまに頂いたその言葉が何よりも身に沁みる心の宝であります。
だからこの命尽きるまで、波を求め、触れ合いと出会いを求め、
一生滑走!!!
ありがとうございました。
※今年最大級の寒波を伴う西高東低による波を追った今回の5日間に渡るひとつの旅。そのバックナンバーは下記リンクよりぜひチェックしてみてください。
>>【西高東低愛好会】All for 3.11セッション @ 仙台新港
>>【シークエンス・オブ・ザAll for 3.11セッション】七色チューブ by 越後将平
>>【西高東低愛好会】仙台新港からのSomewhere in Japan on 3.11
>>【西高東低愛好会】仙台新港からのSomewhere in Japan -朝の部-