Photos & Text by colorsmagyoge.
東日本大震災、原発事故と様々なクライシスが訪れた
2011年もいよいよ年の瀬を迎えました。
というわけで今回は、
2011を振り返る vol.1と題しまして、
2011年のcolorsmagの活動より、
素晴らしかったのにも関わらず
タイミング的に出せず、
お蔵入り寸前だったもののひとつをお届け!
夏が始まったばかりの時期の、
意外なバックストーリーに彩られた
某河口ポイントでのスペシャルな一本 by 佐藤和也
であります!
その波は、確か最初に入って来たセットの裏、
少し右奥寄りのピークに入って来た2本目のセットにあたる波だった。
しかも佐藤和也プロが掴んだそのセットの波は、
広いバレルを形成した1本目の波よりも横に長く、
早いけれどもチューブの穴が閉じることもなく
綺麗に巻いていく素晴らしい波だった。
f/s Sick Barrel by Kazuya Sato.
和也はこの波をリラックススタイルで見事にメイク!
この日の早朝セッションを終え、
車で走っている途中に再びふと思い出してしまい、
改めてあれは本当にヤバかったなと
唸りたくなるようなあまりにもスゴい一本だったので
いてもたってもいられなくなり、
ついつい和也に電話をかけてみた。
「今日のあの一本、ヤバかったね」
「え?今日、写真撮ってたんですか?」
と、陸から撮影していたことを知らなかった和也は
驚いた様子で喜びつつ、
「実はあの一本、」
と、話しを続けた。
和也によれば、
例の波はこの日の一本目にテイクオフした波で、
しかも、河口の波に照準を合わせて
自分でシェイプしたボードを
初おろしした一本目でもあったというのだ。
90年代から2000年代前半まで
Marこと大野修聖プロと同世代のトップとして
海外のWQS、国内戦でも活躍をみせ、
ハワイではバックドア、オフザウォール、サンセットで
ハイパフォーマンスを魅せて注目を集めてきた佐藤和也。
現在はコンペシーンを退き、
巨匠YUのところで数年間シェイプを学び、
いよいよ2011より正式にYUのシェイパーとして
活躍し始めた。
しかしながら、自分がシェイプしたボードで、
しかもあのようなライディングをメイクするとは
いったいどれだけ気持ちいいものなのだろうか?
と、そんな波乗りバカなことを考えつつ、
佐藤和也というサーファーが、
コンペ時代とはまた違った意味で
未だ高次元な波乗的感覚世界の住人とも言うべき
トップサーファーであり続けていることを
痛感した一日だった。