Photos & Movie, Text by colorsmagyoge.
North Shore of Japan vol.1 from colorsmag on Vimeo.
”二兎を追う者は一兎をも得ず”
早朝、薄暗いうちに仙台新港をチェックするとオーバーヘッドのAフレームが至る所でブレイクするグッドコンディションであったが、本当に狙っていた日本海エリアの風の変わり目を逃さないためにも日本海へと車を走らせた。
白銀の雪景色に包まれる山深いエリアを通過すると、やがて雪は減り、遥か彼方に水平線が見えた。
予想よりも早い時間に到着することはできたが、風はオンショア全開。
今回、一番狙いを定めていた未開のブレイクをチェックするが、そこは岩場の先端に位置するため、風を喰らいまくり、時折うねりが浅棚にヒットすると風にも負けずスラブなチューブが姿を表すが、残念ながらとてもでないがサーフィンできそうな状態ではなかった。
こういうこともあろうかと、プランBを実行に移そうということで、まずは風が変わるまでは周辺のブレイクをサーチ。
何箇所か可能性を感じるピークを見つけては、風が変わった瞬間に姿を現わすであろうそのパーフェクションに想いを馳せ、そうこうしているうちにお昼前を迎える頃には、風は予想通りオフショアへと急変した。
2番目に狙いを定めていた海をチェックすると、ビーチブレイク特有のランダムな、見るからに予測のつかない難しそうなコンディションの中、不意を突くようなタイミングで、日本の波とは思えないパワフルなぐりぐりのチューブ波が押し寄せてはスピッツを吹きまっていた。
「まさかこんなハワイ級の波をできるとは思ってませんでした。ケイトくんともセッションできて最高の経験になりました。ありがとうございます」
今回の日本海の旅を振り返り、そんなコメントを残してくれたのは弱冠20歳のプロサーファー安井拓海。
WJCで5位という戦歴を持ちながら一度シーンから姿を消すも、今シーズンまさかの復活劇を遂げた日本の若きホープのひとり。
Takumi Yasui.
天気図から波を予測するずば抜けた能力、どんな波でも対応してしまう天性のチューブセンスの高さ。
勝ち負けではなく、純粋に最高の波を追い求めて旅をする。
そんな現代のサーファーが忘れかけたサーフィンのソウルフルな部分を奮い立たせるような魂の滑りで常にみるものたちに感動を与えるプロサーファー松岡慧斗。
Keito Matsuoka.
気がつけば5時間以上ぶっ続けでサーフィンしっぱなしという、長時間にわたるエキサイティングなセッションとなった!
また新たな西高東低に狙いを定め、colorsmagによる西高東低愛好会の日本海トリップは続く。
一生滑走!!!