“Coastal”をキーワードに日本、アメリカ、オーストラリアの3カ国のエッセンスを凝縮したBANKS JOURNALの世界初となるフラグシップストアが、2017年年末にLAダウンタウンにオープンを果たした!
建築デザインスタジオのWest of Westと協業し、アパレル同様エッセンスを凝縮して細部にこだわって生み出されたストアは、BANKS JOURNALのサステナブルでオーガニックなもの作りをユーザーにダイレクトに伝える絶好の場として機能している。
今回はそんなBANKS JOURNALのフラグシップストア”The Banks Journal DTLA”を手掛けたデザイナーのJai KumaranとClayton Taylorを迎え、その実態に迫る!
BANKS JOURNALのフラグシップストアのコンセプトは何ですか?
BANKS JOURNALは3カ国の影響を受けた魅力的なブランドです、日本、オーストラリア、そしてカリフォルニア。そしてコースタルというキーワードで繋がっています。ミニマリズムな日本の技匠、バイロンベイのサーフ・カルチャーのレイドバック感、そしてカリフォルニアの常に進化し続けるエネルギーが融合しています。そういった自分たちの技匠と素材を厳選しながら誰にでも伝わる形で、同時に個性があるデザインと、BANKS JOURNALの考え抜かれたサステナブルなデザインとコンセプトを混ぜた形をデザインしました。
天井から垂れる機の造形はどのようなストーリーがありますか?
天井は外からも見える、その空間を定義する大切な要素です。店は、坪数自体は大きく無く、しかし天井が高いという特徴がある空間でした。よって、そのスペースを活用してアイコニックなデザインをしようと考えました。天井からのボリューム感のあるアーチはクラシックで慣れ親しんだデザインです。しかし建築方法は新しく、斬新なものです。木のレイヤーを重ねる形式は古典日本建築の技法からインスパイアされました。合計すれば1800m以上の柱を天井に並べたのです。
West of Westの起源について。
Jai KumaranとClayton Taylorの数十年にわたるコラボレーションです。最初はお互い交換留学生だったころ、Copenhagenのバーで語り合った夢が起源です。お互い自分たちで今を感じる、コンテンポラリーな建築を作りたい、と思っていたのです。
West of Westという名前はどうやって決まったのですか?
この単語に巡り合った時(あるいはこの言葉が我々を発見した、とも言えます)、遥か彼方の地平線を連想しました。それは地平線を見るように前を見て進み続け、限界を突破し続けるクリエイティブなデザイン・スタジオというイメージに繋がりました。二人とも西海岸出身で、そのマインド、景色、そして人々を愛しています。そこには、他のどことも似ていないマインドがあって、そこから常にインスピレーションを得ています。1903年にTeddy Rooseveltがカリフォルニアへ最初に着いた時に言った言葉があります。ここはただの西(West)ではなくWest of the Westだ、と。
デザインのモットーは?
デザインとは大なり小なり人々が世界をどう体験するか?を設計することです。我々は建築家やデザイナーだけでなく、誰にでも理解出来、体感できる形をデザインすることを心がけています。紙に描かれた壮大な空論には興味は無く、形にしないと何もなかったことと同じだと思っています。そして常に光や造形、素材感、技匠、そして自然の地質や地形や地図や景色に惹かれています。
全く新しいデザインをすることと、現存するものを再デザインすることはどちらが楽ですか?
どちらもそれぞれ特徴があると思います。現存のスペースをデザインするときは枠組みと環境にある程度のルールや制限があります。デザイナーとしてはそう言った枠組みがあると楽な部分もあります。作家であれば、用意された白い紙に書き始めれば良いですし、画家なら白いキャンバスに絵を描けば良いだけなので。ただ、逆にそれが新たな挑戦を生むとも言えます。我々は新しいプロジェクトでは常に新しい規則を作ったり制限を打ち破ったりします。
真っ白なキャンバスの前に立った時に、何かインスピレーションにするものはありますか?
頻繁にアートからインスピレーションを得ています。プロジェクトの発起段階では特にアートから始まる場合が多いです。ここ数年間は60-70年代のSmithson, HeizerやTurrellといったランド・アートにハマっています。あとはTony SmithやDonald Juddといった彫刻も見ています。あまり、特定の建築や時代に囚われてはおらず、色々なものを吸収しています。例えばMies van der Roheのコラージュも好きです。
West of Westの地平線とはどこですか?
我々は若いスタジオです。多くの建築家は60歳にピークを迎えるので特に若いです。だから毎日、できるだけ多くのことを学びたいと思っています。我々は成長し続ける才能溢れるデザイナー集団で、プロジェクトもどんどん大きくなっています。今年は、初めてビルからデザインをすることにチャレンジします。地平線の遥か先に到達したいという思いがあり、前人未到のチャレンジをしよう、そしてそれを自分たちのスタイルで実現しよう、という考えで日々挑戦をしています。
Banks Journal DTLA
1320 E 7th St STE 114
Los Angeles, CA 90021