Movie by Naoya Kimoto. Text by colorsmagyoge.

 

 

2月の中旬に椎葉順がハワイのオフザウォールで決めたチューブライディングが、毎年冬のノースショアを舞台にSurflineが主催するオンライン・コンテスト”Wave Of The Winter”の2月部門のトップ5にノミネートされたことはcolorsmagからもすでにお伝えさせて頂きましたが、なんとそんな椎葉順がWave Of The Winterの2月部門で見事優勝を飾り、賞金$1,000を獲得した!

撮影したのは日本が世界に誇る巨匠カメラマン木本直哉氏となっている。

Derek Ho、Koa Smith、Sebastian Zietz、Mikey Wrightといった世界的なトッププロサーファーたちを相手に5,964も投票があった中で、投票率54%という圧倒的勝利を収め、自身のプロキャリアにとっても大きな快挙となった。

 

下記はSurflineの優勝発表記事に掲載されている椎葉順のインタビューの要約となっております。(ソース:Surfline

34歳、宮崎出身の椎葉順がサーフィンをはじめたのは10歳の時。

JPSAを中心にWQSのコンテストにもスポットで参戦しながらも、現在はコンテストシーンを離れ、純粋にいい波を求めて映像に残すことで自らの活動をアピールするフリーサーファーとして活躍している。

ノースショアの経験は16歳の時からで、最初の3年間はLiam McNamaraの家にステイしながらしのぎを削ってきた。

「当時Liamさんにはノースショアでのラインナップの仕方から色々なことを教わりました。ノースショアの歴史、波のこと、ルールやマナーなども含め、カメラマンのキンちゃんこと木本直哉さんにも色々学びました。」

現在34歳の椎葉順にとって、およそ18年もの年月を費やしてようやく掴んだ今回の栄光だといって過言ではない。

パイプライン、バックドア、オフザウォールの波について、

「もちろん怖いです。波は本当に綺麗なんですけどやっぱり怖いですね」

と正直な気持ちを語る一方で、ハワイでは毎朝まだ薄暗い早朝から波チェックをして波がよければパドルアウトするのが日課というだけあり、チューブに対する愛情の方が遥かに恐怖心を超えているに違いないだろう。

 

「あの波を掴んだ日はとても綺麗な朝で、オフショアで波もクリーンで、5-6ftくらいの、パーフェクト・ノースショアデイと言える最高のコンディションでした。なので、早朝からラインナップしました。」

早朝は本当に空いていたが、朝8:00くらいになると一気に混みはじめ、そのタイミングでアウトサイドに行った時、あのセットが目の前に入ってきた。

「いざ目の前で見た時、自分にはちょっとデカ過ぎるかも、と思いましたが、自分が完璧な位置にポジショニングしていたのと、波がとても綺麗だったので、行くしかないと思いました。」

全速力でパドルして波を掴み、少しレイト気味でテイクオフ。

そのままものすごいスピードでボトムまで滑り降り、ボトムターンをしてチューブにねじ込む。

チューブの中であまりのデカさと綺麗さに感動しながらも、一瞬チューブが深過ぎるかと思った瞬間に背後からフォームボールが押し寄せてきたが、そのまま波がチューブの中からスピッツと共に吐き出されたのだった。

「あの状況の中では、もう自分を信じるしかありませんでした。」

乗っていたボードは、椎葉順が絶大なる信頼を寄せる世界一流シェイパーJohn PyzelによるPYZEL surfboardsのGhostモデルの6’3″だった。

「今シーズンのノースショアでのベストウェイブどころか、自分のサーフィン人生に刻まれるベストウェイブになりました。本当に信じられないです。だって他にノミネートされている4人はDerek HoとKoa SmithとSebastian Zietz、Mikey Wrightなわけじゃないですか。多分みんな”椎葉順って誰??”と思っていると思います。」

 

今回のWave Of The Winterの2月部門の優勝を飾り、Surflineのインタビューに対してそうコメントを残してくれた椎葉順。

「この場を借りて改めまして、人生に残るあの波を届けてくれたノースショアに、そして僕のライディングに投票してくださった皆さま、本当にありがとうございました」

残るはWave Of The Winterの総合チャンプの選出。

現在のところ1月優勝の松岡慧斗と2月優勝の椎葉順といった日本人サーファー2名がノミネートしているだけに、賞金$25,000をかけた最終選考からも目が離せない!!!

さらなる詳細は下記リンクよりSurflineの記事をチェック!

>>Surfline / 椎葉順インタビュー

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ