Photos & Text by colorsmagyoge.

 

台風20号から湘南エリアに届けられたグランドスウェルがピークとなった8/23(木)。

この日は早朝の数時間のみオフショアで、早い時間からオンショアが吹く予報となっていたことから、暗いうちから始動。

前日に吹いた強いオンショアの影響でせっかくのグランドスウェルがまとまりない状態ながら、湘南イーストサイドのリーフブレイクは比較的グッドコンディションとなった。

某リーフブレイクの駐車場で波チェックしていると、パイプライナーの脇田貴之プロに遭遇。

いろいろとチェックしたが風も吹いてくる予報なので、とりあえずオフショアのうちにサーフィンしようということになり、早速セッションを開始!


Takayuki Wakita.

 

三脚を立てて撮り始めると、眠そうな目をこすりながら波チェックをするロコボーイ、抱井暖の姿が。

ロコ同士でめぼしいリーフの波情報を電話でやりとりしつつも、ほかはワンサイズ小さく、さらに激混みということで、家から最寄りのこのポイントへパドルアウト。

重みとドライブの効いたターンからは、以前よりもパワフルさを増したように感じた。


Dan Kakai.

 

都内で仕事があるため7時には海から上がらなくてはならないということで、小一時間程度のクイックセッションとなった中、乗り慣れないリーフブレイクの波を読みきれない様子であったが、それでもしっかりと数本いい波をキャッチして行ったのは日本を代表するエアリスト中浦”JET”章。


Akira”JET”Nakaura.

 

茅ヶ崎のビーチブレイクを数カ所チェックしたが、どこもよくなさそうだったのでこのリーフブレイクにたどり着いた金尾玲生。

プロサーファーとしての活動と共に、THE SURFSKATERSの運営、そして今年はアパレルブランド”solid”をプロデュースするなど、多忙な日々を送る。

「全然いいの乗れませでした。泣」

と、自分では言っていたが見ている側にはそう感じさせないハイパフォーマンスなサーフィンを連発していた。


Reo Kanao.

 

金尾玲生と同じ茅ヶ崎の先輩であり、この日は若手プロサーファー小笠原由織と、大橋海人の実弟である大橋茅人といった高校生2名を連れてきて、由緒と歴史のあるここの波での経験をプレゼントしていた”グジョ”のニックネームで知られる岩倉具威。

長男ならではの面倒見の良さと、生意気な後輩たちも受け止めることができる器のでかさで厚い信頼を寄せられている存在。


Tomotake”Gujo”Iwakura.


Yuri Ogasawara.


Chihito Ohashi.

 

「俺が1番いい波に乗る!」

そう言わんばかりにディープなセクションからエクセレントなセットをつかんだのは、生粋のハードコア・ロコボーイでHYDRO Shape & Designを手掛ける安藤清高。


Kiyotaka Ando.

 

そんな安藤清高とはサーフィンやスケートボードで深い繋がりを持ち、現在は茅ヶ崎を拠点にキッズを対象とした無料スケートボード教室を行なって横乗りの素晴らしさと楽しさを普及させる活動に余念のないR SURFの和田大。

THE SURFSKATERS総合チャンプのひとりであり、北海道出身でありながら、ローカル色の強い茅ヶ崎でも一目置かれる存在にまで成長した要チェックなアンダーグランド・サーファー。


Dai Wada.

 

日も徐々に昇り始め、そろそろオンショアが吹いてくるかなという時間帯に入っても、なぜか予報に反してオンショアが吹かず、お昼前くらいまで面ツル状態を保ってくれたこの日。

セッションも中盤に入ってくるとロングボードグランドチャンピオンで、ショートボードでもプロサーファーであり、さらにはTHE SURFSKATERS最年少総合チャンプの記録を持つ天才横乗リスト浜瀬海がショーアップ。

もっと早い時間はさらに東側の別のリーフブレイクでサーフィンしていたらしく、その帰路の途中での2ラウンド目となった。


Kai Hamase.

 

さらにこの頃になると河村海沙も登場。

最近では安室丈、松田詩野のコーチとしても活躍している彼であるが、2017年のSurfline主催のWave Of The Winterではマンスリーチャンプに輝くなど、ハワイでのサーフィンを得意とすることから、まるでこの日の波が普通の小さい波に見えるくらいしっかりとしたターンとソリッドなリッピングを連発。

その上手さに改めて唸らされたcolorsmagであった。


Kaisa Kawamura.

 

yuさんこと植田義則氏を師と仰ぎ、現在はyu surfboardsのセカンド・シェイパーとして修行を重ねながらも自らのサーフィン道を真っ直ぐに追い求めるプロサーファー佐藤和也。

この日は沖からブレイクするサイズのあるセットに狙いを定め、自らシェイプしたボードでこのクラシカルリーフの波を攻めていた。


Kazuya Sato.

 

見慣れた乗り方のサーファーがいるのでズームアップしてチェックしてみると、佐藤和也と同世代のプロサーファーであり、無類のチューブ好きとしても知られる脇祐史だった。

この日もひたすら波の”穴”を探していた。


Yuji Waki.

 

「ギリギリ間に合ったかな?」

と、余裕すら感じるゆっくりとしたタイミングで入水して行きながらも、長年の経験からこのクラシカルリーフの棚を知り尽くす山田達也プロは、非常に数少ないショルダーの張ったロングライドできるいい波を掴み、セッション後半にしてしっかりと魅せ場を作ってくれた。


Tatsuya Yamada.

 

普段はメローで優しい兄貴分といった感じだが、ここの波がサイズアップした時にはハードコアな表情へと一変するプロロングボーダーでこのエリアのハードロコのひとりである堀野稔。

オンショアが吹く寸前1時間前くらいにゲッティングアウトして行き、さすがの存在感で沖からのセットをつかんでビッグドロップをメイクする。


Minoru Horino.

 

誰よりもドライブの効いたターンと洗礼されたライン取り。

10代から40代まで世代を超えたプロサーファーとトップサーファーが集結したこのセッションにおいて最もすごいライディングを連発していたのは関野聡プロ。

糟谷修自、久我孝男、福田義明と並び、四天王として日本のサーフィン界に黄金時代を築き上げてきた日本のトッププロの中のトッププロであり、時代が過ぎ、コンテストシーンから離れても一度波に乗れば時空を超えてそのサーフィンは輝きを放っていた。


Satoshi Sekino.

 

この台風20号のセッションの模様を収録したオリジナル動画は後ほどお伝えさせていただく予定。

そちらの方もこうご期待ください!!

 

 

 

 

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ