奄美大島の嘉徳浜は、島内の公共ビーチで唯一護岸がされておらず、地形はもちろん、動植物や人間との関係を象徴する波を取り巻く生態系に至るまで、時を超えて古来の自然美を今に伝えるその姿から”ジュラシックビーチ”とも呼ばれる場所。
アマミノクロウサギなどを含む固有種や絶滅危惧種の聖域でもあり、UNESCOの世界自然遺産登録の評価機関であるIUCNにより”深刻な危機(Critically Endangered、極度に高い絶滅の危機にある)”とリストアップされるオサガメの上陸産卵が日本で唯一記録できるビーチでもある。
鹿児島県は、この嘉徳浜の自然に形成された砂丘の上に高さ6.5m、全長180mの護岸建設を計画。
もしこれが実行されれば、砂丘の生態系及び嘉徳川の自然の流れを妨げることは必至という危機的状況に追い込まれている。
そんな計画が着々と進んでいく中、11,640haの奄美大島の土地がUNESCOにより世界自然遺産に登録され、嘉徳浜と嘉徳川は緩衝地帯として組み込まれた。
世界自然遺産の登録によって保護、保全しようとしている嘉徳浜の自然資源と手付かずの完全なるエコシステムに対する脅威となるこの護岸建設を阻止するべく、サーフライダーファウンデーション・ジャパンが、Save The Waves Coalitionと連携し、”奄美の森と川と海岸を守る会”が現地で行なう奄美大島・嘉徳浜の保全活動に賛同し、UNESCOの世界自然遺産登録の評価機関であるIUCNに対し、声明文を届けた。
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嘉徳浜は、時を超え、古来の自然美を今に伝えることから「ジュラシックビーチ」とも呼ばれます。奄美大島内の公共ビーチで唯一護岸がされておらず、最後の自然のサーフ・エコシステム(地形や動植物と人間との関係を象徴する波をとりまく生態系)となっています。
鹿児島県は、この浜に高さ6.5m、全長180mの護岸建設を計画しています。護岸は、自然に形成された砂丘の上に建設予定で、砂丘の生態系及び嘉徳川の自然の流れを妨げます。計画が着々と進んでいく最中に、11,640 haの奄美大島の土地が、UNESCOにより世界自然遺産に登録され、嘉徳浜と嘉徳川は緩衝地帯として組み込まれました。護岸建設は、世界自然遺産の登録によって保護、保全しようとしている自然資源と手つかずの完全なエコシステムに対する脅威となります。
また、嘉徳浜の素晴らしい自然は、アマミノクロウサギなどを含む固有種や絶滅危惧種の聖域でもあります。IUCNのレッドリストに「深刻な危機」(Critically Endangered、極度に高い絶滅の危機にある)とリストされるオサガメの上陸産卵が日本で唯一記録されている場所でもあります。リュウキュウアユは環境省が絶滅危惧IA類(CR)に指定する固有種で、嘉徳川下流に生息し、淡水と海水を行き来します。
浜に流れ込む嘉徳川はUNESCOの世界自然遺産登録の評価機関であるIUCNにより、「奄美大島で最後の自然の流れを残す川」と認められました。SFJはWWFなど他の環境保護団体にも連携を求め、貴重な嘉徳浜の原生的な砂浜と付近一帯の景観の保護を訴えます。
SFJ 代表理事 中川 淳
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これが同志たちの継続的な活動の後押しとなり、嘉徳浜がジュラシックビーチであり続ける環境維持の実現につながることを願うばかりである。