2024年7月24日(水)タヒチ時間にて、 パリ2024 オリンピック・サーフィンのサーフィン日本代表選手である五十嵐カノア、コナー・オレアリー、稲葉玲王、松田詩野のタヒチのチョープーの会上よりオンライン会見が行われた。選手達はクルーズ船での選手村生活を送っており、7月27日より開始される大会へ向けて、思いを語った。

【稲葉玲王】

パリオリンピック開幕、現在の気持ちは
まだ実感ないかなって感じはしますが、周りのムードというか、 オリンピックが始まるって感じになってきたんで、それで徐々に気分的には上がってきてるのかなと思います。

公開練習のご自身の感触はどうですか?
もう今年3回~4回目くらいタヒチに来ているので、調子は結構良くて、波も自分がここだと見つけたポジショニングとかがうまくはまってるので、いい感じです。

髪型を変えた理由、気合いのほどは
日本人として髪型はパンチパーマが気合が入るかなと思って、気合を入れてきました。

世界で危険な波のチョープーですが、どんなパフォーマンスで目標を達成したいと思っていますか?
自分の中で一生に忘れられない一本になると思うので、それがメダルに繋がると思うので、しっかりメダルを取りにいきたいと思います。


着用するヘルメットについて
今回ヘルメットを持ってきたのは、去年亡くなられた小川直久さんが使っていた同じデザインのヘルメットで、その意志を受け継いでというか、少しでもパワーをもらえたらなっていう気持ちです。このデザインはシルバーバレッドと言われていて、ハワイのパイプラインとか、日本人がなかなか波に乗れないポイントで、世界の人達が海で戦ってきていて世界のビッグウェーバーはみんな知ってるデザインです。

日本人魂を見せて行きたいと思います!!!

【松田詩野】

大会直前の今の気持ちを教えてください。
タヒチで色々な波で練習できていて、陸に戻ってきたらチームやスタッフのみんなとオフの時間を過ごせていて、そのオンオフがこの3日前でもうまくできてるのが、すごくいいかなって思っています。

日本選手の中で一番早くタヒチに現地入りしてどうですか?
(タヒチには)2週間ちょっと前から入って、 凄く風が強い日もあったり、昨日今日はすごく良いチューブの波になったり、調子も徐々に上がってきていると実感しています。

本番はどんな大会になりそうですか?
その日の波のシチュエーションで点数も決まってくると思うんですけど、やっぱりここはチューブがメインの場所なので、そういったコンディションになると、 チューブの波の大きさとか、チューブの中にいる深さで点が決まってくると思います。今まで練習してきた中でも、波が大きい日もあれば、小さい日もあるので。どんなコンディションでもなるべく練習してきたので、そこは自信を持ってできると思います。

あと1歩届かなかった東京五輪から今のパリ五輪の舞台に立ってみて気持ちはどうですか?
東京五輪は逃してしまったけど、このタヒチでオリンピックの舞台に立てているのは周りのサポートがあってだと思うし、自分がオリンピックに出るっていう目標まで色々なことがあったんですけど、それも全てが自分の成長に繋がっていると思うし、全ての過程が自分を強くしてくれたと思うので、このオリンピックでは、始まりから終わりまで全部の瞬間を楽しみたいです。

チョープーの波の恐怖心を克服するために
サイズが上がったら恐怖心もすごく出てくるし、ラインナップに座っていても、いつ次のセットが来るんだろうっていうドキドキ感はあるんですけど、でもワイプアウトしても諦めずにまた沖に戻って、それで今までで一番良い波に乗れたという経験があるので、その経験をもう一回したいと思って、巻かれてもまた戻るっていう、強さができたかなと思って、あとは、波が大きくなっても良いチューブが巻くので、それを信じて、乗りたい波に集中して、良い波に乗れて、楽しむことができると思います。

【コナー・オレアリー】

大会直前の今の気持ちを聞かせてください。
気持ち、結構いいですね!  昨日と一昨日の練習で結構良い波に乗れて、CTの試合の1ヶ月後だったから、すぐに返って来た感じ。セカンドホームのフィーリングなのでチョープーって一番好きな波なので、この場所でオリンピックの大会を凄く楽しみにしています。良い成績を取れるように頑張りたいと思います。

目標は?どんなパフォーマンスで結果を勝ち取りたいですか?
Heat by Heat ですね!僕はいいパフォーマンスに集中した方が結果が後から来るから、ハイ・トータルポイントを出して、良いサーフィンを見せれるようにサーフィンしたいです。

波は本番はどうなると思いますか?
試合の初日はいいと思う、6 feets ぐらいになるかもしれない、DAY ONE いいチョープーになるから楽しみにしています。

気合いって!? SNSのお友達が気合いってT-shirtsに書いてありましたが..
子供の時に空手をやってたから、セッションの終わりに気合いっ言ってました。子供の時、気合を聞いたら、強く頑張って、強くサーフィンして、100パーセント頑張りたいと思います。気合い自信と2つの言葉をいつも自分で言ってる。子供の時はオーストラリアのクナラにいたから、子供の時にリーフブレイクでスラブな波にいっぱい乗っているから、チョープーに来てアットホームなフィーリングがあります。そんなに怖くはないけど、たまに怖いけど、好きな波です。

今回はご家族は会場に来られるのでしょうか?
お母さんは日本にいます、祖母と二人で観戦します。弟は学校のテストがあるので、お父さんと二人でオーストラリアにいます。


日本チームの他の国にはない良さを教えてください。
日本チームのサポート本当にいいですね!松本先生の食事とか、いろんなコーチングがあって、日本チームのサポートが一番ですね。僕はオーストラリアのチームも回ったっし、みんなちゃんと仕事をやる感じ、100%仕事をするから、それで、エネルギーを持って、モチベーションを持って、僕の仕事を100%やりたいと思うから、そのサポートが一番大切だと思います。日本のジュニアの才能も凄いと思っています、世界にいけると思います。

【五十嵐 カノア】

大会直前の今の気持ちを聞かせてください。
本当にオリンピックが近づいてきて、毎日毎日1時間ずつ近づいてきて、テンションが上がって、やっぱりプレッシャーを感じ、もうみんなも準備はできてると思うので、その楽しみと緊張と、色々テンションが上がってきているので、本当に全部ポジティブですごい楽しみにしてます。

公式練習で感じたこと、本番どんなところがポイントになりそうですか?
いつもと同じ感じで、もうチョープは意外とすごくシンプルな波で、意外と考えることはあまりないので。普通の波は、決めたい技とか、そういうメニューを頭の中で作らないといけないけど、チョープーは本当にチューブだけだし、バレルライディングのことに集中すればいいから、全部の大会に比べると、一番やりやすいかな。その中で、なるべくチューブ中に深く入ることとか、 もうちょっとテクニカルなチューブの入り方とか、いろいろ点数を作るようなサーフィンをなるべく練習しているけど、でも本当にシンプルで、考えすぎないような練習をしています。

前回の東京を踏まえてタヒチでどんなパフォーマンスを見せたいですか?
この前の東京オリンピックでも、すごく良い成績で自分もやっぱり嬉しいけど、まだまだ、もう1ステップがまだあるっていうことで。 この前の銀メダルも、すごくモチベーションにもなるし、メダルを取れるサーフィンを持ってるっていうことと、あともう1ステップ、もう1プッシュという感じで、今回も、またそのチャンスがあるっていうのは凄くありがたい気持ちで。自分の身体も調子は良いし、メンテナンスも自信も持っているので、このあと1週間オリンピックに集中することで、それ以外は何も考えていない感じです。

高得点を出すために意識していることは何ですか?
やっぱり練習の時に集中しているのは波選びです。いい波、乗りやすい波ではなく、点数が出る波を見つけること。ヒート中に色々な波が入ってくるけど、その中で、ちゃんと7点台、8点台、9点台が出る波を見つけるのは、本当に難しいことで、チェスみたいな感じ。相手のコンペティターには、あまり良くない波に行ってもらう作戦とか、自分はちゃんと待って、点数が出る波を探すということが、一番メインに集中してる部分だけど、それ以外にも、チューブの入り方とか、自分のテクニックとか、チューブの中もなるべく深く入るために、普段の練習はそんなに深く入らなくても気持ちいい感じにチューブに入るけど、大会の時はギリギリの深く入るチューブが一番点数が出るライディングなので、頭の中ではもう大会をやっている感じで練習をしておくのが、大会のプレッシャーをなるべく同じ様に感じて、同じフィーリングでやることに集中してます。

サーファーと大学との同時にやる意味や目的を教えてください。
自分にチャレンジすることなのかな。難しくすることよりも、色々やりたいことがいっぱいで、サーフィンのパフォーマンスに影響しなければ、ハーバードで頑張りたい。勉強してる時は自分のリカバリーにもなるし、オリンピックのプレッシャーとか、考えることがいっぱいあるけど、勉強している時は、そのことを全然考えられなくて、それが自分の身体の疲れが取れるのかなって感じです。夜中1時ぐらいまで勉強して、 もし勉強してなかったら、どうせ1時ぐらいまで、オリンピックのこと考えて起きてたと思うから、 だったら違うことを考えて、頭の切り替えで、朝5時に起きたら、勉強のことは全く考えないで、サーフィンのことに集中してる感じで、そのバランスがもしかしたら良いのかなって感じてます。


前回を踏まえて日本チームの雰囲気づくりについて教えてください。
僕はチームスポーツも好きで、子供の頃からバスケとかサッカーとかチームのスポーツを見ていて、周りのチームをサポートして力をもらっている感じで、チームにもエネルギーをあげる感じで、サーフィンも好きだけどこういうスポーツをやってみたいなという興味があって、このオリンピックのおかげで、こういう経験ができるのは夢が叶った感じがします。サーフィンは一人スポーツだけど、周りのチームをサポートしたいと思うし、チームの周りからもエネルギーを毎日もらうし、それがとてもいいバランスでレスペクトをしあうし、チームの誰かが勝てばみんなが幸せになると思っています。日本のファンのみんなに、誰が金メダルを取っても、日本が幸せになると思っているので、チームに対して毎日サポートしています。押忍!

Colors Magazine Editing Dept
カラーズマガジン編集部