先日もcolorsmagからもお伝えさせて頂いた上、巨大な白い岩が崖から海に落ちる映像がインスタグラムなどのSNSを中心に拡散され、世界中で物議を醸しているバリのウルワツの崖の下の海岸沿いに道路を建設する開発計画が進む中、これが結果としてウルワツの環境に与える影響について透明性を示すよう求める声がさらに高まっている。

1992年に起きた大地震により生じた亀裂により、築1000年以上の歴史を持つヒンドゥー教の象徴的なウルワツ・ルフル寺院を保護するべくバリ島政府によって500万ドルの予算が割り当てられたこの開発計画。

果たしてこれがウルワツの波と豊かな海洋生態系の両方にどのような影響を与えるのかについては、現段階では想像の領域を脱し得ず、しかし実際に失った後で取り返しのつかない事態となってはあとの祭りである。

そんな中、サーフィンが長期的な沿岸保全、生態系保護の手段となる世界を目指す非営利団体”Save The Waves”は、すでにバリ政府に向けて声明を発表した上で、次のフェーズとして、地方自治体に対し、正式な環境影響評価を発表するように求める請願書を完成させるべく、Change.orgで著名運動をスタートさせた。

下記はSave The Wavesの請願書を訳した内容の一部を抜粋。

「このウルワツ開発計画が、生物多様性の高いウルワツの環境と波に対する潜在的なリスクに関する適切な分析と国民に対する透明性ある説明がないまま進められていることは憂慮すべきことである。我々Save The Wavesは、バリの人々にとってウルワツ・ルフル寺院が持つ精神的、文化的、経済的重要性を認めています。しかし、バリや世界中の多くの人々と同様に、私たちはこのプロジェクトが周囲の海洋環境および生態系にもたらす潜在的な環境リスクに懸念を抱いています。私たちおよび地元パートナーが知る限りでは海岸道路開発計画に対して環境影響評価(EIA)は実施されておりません。そのような状態ではウルワツの生物多様性に富んだ生態系と波がどのような影響を受けるのかを測定することは不可能です」

このSave The Wavesが実施している著名運動によってウルワツ沿岸道路開発工事がストップする可能性は極めて低いように思えるが、世界中のサーファーや環境家が一丸となれば、不可能も可能となるかも知れない。

日本人サーファーにもゆかりの深いバリのウルワツを守るべくわずかな可能性に賭け、ぜひ下記リンクよりSave The Wavesの著名活動にご参加頂けたらと思います。

そして1人でも多くの方にこのオンライン著名が実施されていることを知らせて頂けたらと願います。(下の画像はこのオンライン署名のQRコード。スマートフォンなどの画面上で表示させるほか、ダウンロードしてチラシやポスターなどの印刷物に使うことも可能です。)

>>Save The Wavesによるウルワツ開発に対する著名活動特設ページ

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ