国際オリンピック委員会(IOC)が、2028年のLAオリンピックの正式種目としてロングボード・サーフィンを不採用の決定を下した。

それに対し、ISAは2032年のブリスベン・オリンピックでロングボード・サーフィンが正式種目として採用されるように引き続き全力で取り組んでいく意識を固める声明を発表した。

“米国カリフォルニア州カーディフ – 2025年4月9日国際サーフィン協会(ISA)は、国際オリンピック委員会(IOC)が2028年LAオリンピック競技大会にロングボード・サーフィンを不採用とした決定を、遺憾ながら深く受け止めております。ISAは、オリンピック競技大会へのロングボード競技の価値を提示する機会を頂き、2028年LAオリンピックのプログラムにおいてロングボード競技が検討されたことに感謝申し上げます。ショートボード・サーフィンへの追加選手の要請も却下されましたが、ISAはブリスベン2032オリンピック競技大会への参加拡大に向けて、引き続き尽力してまいります。同時に、ISAは、IOCが2028年LAオリンピックの競技と出場枠に関する本日の決定の重要な基準の一つとして、ジェンダー平等の推進を継続的に推進していることを理解し、高く評価いたします。ISAは、ロングボード・サーフィンの価値と、その多様な競技や種目を通して世界的に広がるこのスポーツの可能性を強く信じています。過去のパンアメリカン競技大会におけるロングボードの成功は、その価値を証明しています。ISAは、複数回開催される世界選手権を通じて、このスポーツの継続的な成長と発展に全力で取り組んでいきます。”

ISA会長のFernando Aguerreは次のようにコメント。

“2028年LAオリンピックでロングボード・サーフィンが採用されず、選手の出場枠も増えないという知らせを受け、大変残念に思います。しかし、私たちの長いオリンピックへの道のりはまだ始まったばかりだと信じています。サーフィンがオリンピックの成功に貢献してきたことを誇りに思います。2032年ブリスベンオリンピック、そしてそれ以降も、ロングボード競技の採用を目指して、引き続きキャンペーン活動に取り組んでまいります。IOCおよびブリスベン組織委員会と緊密に協力し、オリンピックの舞台でサーフィンの価値を高めていくことを楽しみにしています。サーファーとして、私たちは完璧な波を見つけるには時間を要することはよくわかっています。私たちはサーフィンから、忍耐、情熱、そして粘り強さの大切さを学んできました。これらは、ISAが東京でショートボード・サーフィンの初開催を実現させるまでの約30年間の道のりで常に示してきた資質です。私たちは、今後もオリンピックへの挑戦に、同じエネルギーを注ぎ込んでいきます。”

2024年はWSLのLTランキング5位でフィニッシュした田岡なつみ、世界的ビッグイベントであるNoosa Festival of Surfingで2連覇を果たした経歴を持つ吉川広夏、さらに男子ではISA世界ロングボード選手権大会で5位となった浜瀬海、そしてSUPでも世界レベルの実力を持ちながらもISA銀メダリストという輝かしい経歴を持つ井上鷹など、日本人のプロロングボーダーのレベルは世界でもトップレベルであるだけに、期待されていた2028年LAオリンピックでのロングボードの正式種目化が実現されなかったことは非常に残念である。

しかし、こういった形となってしまった以上、2032年ブリスベン・オリンピックでロングボード正式種目化に期待したい。

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ