Photos & Text by Kuni Takanami. Edited by colorsmagyoge.


Kaito Sekimoto @ Backdoor HAWAII.

~悩める季節~

日本に冬が訪れる度に光を浴びる場所、

大型低気圧からの巨大なスウェルが

長い距離を旅して押し寄せ

そのブレイクは世界中のサーファーを魅了する。

ハワイ、オアフ島ノースショア。

このシーズンはコンテストも多く開催されるが

オーストラリアでのコンテストシーズンと大かぶりするために

選手達はどちらの試合にエントリー

すべきか悩むと言う。

Australia.

ここオーストラリアにもバレルを含め良い波は多いが、

やはり多くのサーファー達から長年愛され、

挑み続けられながら培われて来たカルチャーと

世界屈指の波の魅力は確かだ。

しかし、その楽園の裏側に用意されているステージを

よく見てみるとそこにもまた奥深い世界がある。

Reo Kanao & Kaito Ohashi & Yukio Ogawa.

~未来へ~

コンテストの続くオーストラリアのこのシーズンは

選手達にとってみれば

心身ともにハードな事に変わりはないが、

普段は時差もある航空機を乗り継いで

世界を転戦する彼らにとって

オーストラリア国内をベースにしながら

試合に挑む事のできる時期でもある。

このシーズンは体力的にもすこし余裕ができ、

金銭的な負担も意識次第で

いくらでも減らすことが出来る。

波に慣れる時間も作れるとあって、

試合に集中すると言う意味では

HAWAII/AUSのどちらで過ごすのかというチョイスが

コンペティター達に大きな影響を与える

シーズンである事を知った。

Yukio Ogawa.

中でも小川幸男は

例年の冬をノースでのチャージに費やして来た。

彼や、彼の兄である小川直久プロが

今までに残して来たノースでのショットの数々は

今も脳裏から離れることはない。

しかし、そんな小川幸男であっても

コンテストで勝つ為にパフォーマンスを磨きたいと思う

強い気持ちに後押しされ、

今期のノースに休み取って一足早く昨年末から

ワーキングホリデーを取ってオーストラリアまで海を渡り、

金尾レオと共にゴールドコーストでの武者修行を開始した。

オーウェン ライト、ステファニー ギルモア、ジュリアン ウィルソン等、

世界で活躍するWTサーファー達も通ったという

世界最高レベルのパフォーマンスを可能にする

コーチングプログラムHPC(ハイパフォーマンスセンター)での

講習にも積極的に参加し,

そこでの経験の意義を彼らは口を揃えて語る。

今やWTを含め世界のトップで

コーチングシステムを採用していないサーファーはいない

と言われる程に一流コンペティター達の間では定着したもので

考えてみればサッカーにしても野球にしても

一流のスポーツ選手の傍には必ず専門のコーチがいるものだが、

残念な事に未だ日本のサーフィン会での意識は低い。

Kan Watanabe.

Takumi Nakamura.

Hiroto Ohara.

Arashi Kato.

Nao Omura.

HPCでの講義の効果は絶大で、

講習の前と比べると、

サーフィンしている本人はもちろんの事、

撮影しているカメラマンさえもそのパフォーマンスと

加速度の豹変っぷりを感じ取れる程に見違えっていた。

こと試合に関しては

更にポジショニングや勝つ為の知識などの

指導はあって当然だろう。

今日まで才能と努力を繰り返して来た彼らにとって、

根本から飛躍させてくれる可能性すら

秘めているかも知れない。

☞ >>>HPCコンペテイション・キャンプ in 宮崎

Kaito Ohashi. All Photos by Kuni(surfer’s eye)

 

yoge
サーフィン・プレビュー/吉田憲右著・泉書房、古都鎌倉ミステリー旅/吉田憲右著・コスミック出版など数々の書籍を発行し、2000年にTRANSWORLD SURFの外部スタッフとなったのをきっかけにメディア界に参入。 2001年から2009年10月まで月刊SURFING WORLDの編集部兼カメラマンとして勤務。 その経験と共に、第1回NSA東日本サーフィン選手権大会Jrクラス3位、2年連続THE SURFSKATERS総合チャンプなどテストライダーとして培ってきた経歴を活かし、サーフィンを軸としたスケートボード、スノーボード、ミュージック、アート全般をひとつのコーストカルチャーとしてとらえ、心の赴くままにシャッターを押し、発信し続ける。 >>>出版物 >>>プライベート撮影問い合わせ